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なるおばさんの旅日記

日頃のお出かけを含めた旅の日記

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都内で森美術館で開催中の「塩田千春展」を観てきました

今日は小雨の中、六本木のヒルズタワーにある、森美術館「塩田千春展」ー魂がふるえるーを観てきました。

塩田さんはベルリンを拠点に活動されている芸術家で、空間に張り巡らされたダイナミックなインスタレーションが魂や心の動きなど表現されています。

2008年には芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞されています。

 

色としては赤と黒がほとんどで、大きな空間には「糸」を使った独特な世界観に息をのむ感じです。

 

入ってすぐの赤い細目の糸で展開された空間は「不確かな旅」という題目です。

舟を土台に部屋一面に赤い世界が繰り広げられています。

塩田さんは舟をモチーフにすることも多いとお聞きしましたが、このフレームだけの舟の上に大きく広がった赤い糸の世界が不安定にも見えます。

 

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↑ ものすごく赤いです! 圧倒されます

 

魂と結びついているとすれば安定の部分ではなく不安定ながらもその先に生命の誕生や魂の躍動というようなイメージを感じました。

専門家でもないので、観た感じのままに書かせてもらっています。

絵画、写真、オブジェなど全ての部分で赤と黒が象徴的でした。

刺さるようなイメージの作品と、血を連想させるような作品は好みではありませんでしたが、そこから発展した塩田さんの作品の数々は、人間そのものを感じさせるものばかりでした。

 

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↑ 心が大きく揺さぶられます!

 

特に印象に残ったのは、黒い空間、題目は「静けさの中で」です。

幼いころの隣家の火事の印象からインスピレーションを受けた作品のようですが、煤けたピアノと椅子が置かれ、そこに黒い糸が張り巡らされています。

しーんとした空間なのに、どこかピーンと張り詰めるような音が聞こえてきそうでした。

 

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↑ 炭の煤けた臭いまでしてきます

 

何メートルあるのかと思わせる洋服が水に打たれています。(実際は洋服だけの展示です)

 

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↑ これが水に打たれているところも観たい!

 

どんなに洗われても、水に流されても、その洋服に袖を通した人の魂はその服に残って永遠に生きているかのようです。

 

「内と外」という作品はで造られていますが、これにも深い意味がありました。

人間の皮膚はそれを洋服という皮膚が覆い、それを更に家という皮膚が覆うというものです。

 

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↑ 窓枠で出来た空間はベルリンの再開発の廃棄品です

 

塩田さんはベルリンの壁から15年後の2004年からこの窓を使った作品を手がけたと言います。

ベルリンの再開発で廃棄された「窓」から出来上がった作品です。

 

「集積ー目的地を求めて」という作品はスーツケースが集積され全てが糸で吊られています。

 

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↑ ひとつひとつのスーツケースが吊られています

 

このスーツケースもそれを持って移動・移住する人々の人生そのものなのではないでしょうか。

「時空の反射」という作品は、ドレスの真ん中に鏡を配していて不思議な空間が出来ています。

ドレスは一つなのか、二つなのか暫く考え込んでしまいました。

黒い糸がそれを分かりにくくさせています。

 

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↑ この真ん中に斜めに鏡があるようです

 

真実とはどこにあり、時空は単にそれを映し出している鏡のようなものに過ぎないのかもしれませんね。

 

人間の生命を、そして人生を端的に表現している塩田さんの作品を、このタイミングで観れたことは本当によかったです。

雨の中、付き合ってくれた友人にも感謝です。

10月27日の日曜日まで森美術館で開催していますので、良かったら是非観てきてください。

こちらの入場券で細野晴臣デビュー50周年記念展「細野観光1969-2019」も観ることが出来ます。

イエロー・マジック・オーケストラYMO)を聞いて育った私は、こちらも本当に興味深く楽しめました。

 

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↑ あの当時の楽器やシンセサイザーなどの展示も!

 

最近では「万引き家族」のサントラも素晴らしかったですね。

こちらは11月4日(月)までの開催です。

 

展望台も料金に含まれています。

雨の中で曇ってはいましたが、かなり盛り沢山で大いに楽しめました。

 

最高な連休の最終日だったと思います。