アボカドが注目され始めたのは、1997年にアメリカがメキシコ産のアボカドの輸入を解禁したからだと言われています。
ご存知の通り。アボカドはオーガニックブームを背景に世界中へと広まり、健康志向の国々では欠かせない果実となっています。
勿論、日本でのアボカドブームも例外じゃありません!
私も大好きなのでついついハンバーガーなどでは「アボカド・トッピング」をお願いしちゃいますし、オツマミのチップスなどにアボカドディップを作っちゃったりします(#^^#)
↑ 本当に美味しくて大好きなアボカドですが…
ただこのアボカドには栽培するにあたって大きな問題点があるのです。
- 熱帯地方でしか栽培できない。(生産国が限られる)
- 1トンあたり1,800平方メートルの水が必要である
- 輸送で発生するCO2の量も多い
- 中南米の難民危機の一助にもなってしまっている
1.熱帯地方でしか栽培できない
アボカド生産国はメキシコ、ドミニカ共和国、ペルー、チリなどの中南米が中心です。
世界中の需要が高まるとともに、どうしても各国の生産量は増加し、この10年の間に生産量も耕地面積も2倍に膨れ上がっているのです。
2.1トンあたり1,800平方メートルの水が必要である
これはオレンジやバナナなどの他の農産物に比べて圧倒的に多い水の量です。
メキシコでは、1日の水の量が一般的な競技用プールの3,800杯分が使用されているというのです。
↑ https://www.newsweekjapan.jp/mutsuji/2021/06/post-117.phpより引用させていただきました
こちらの影響が様々な自然環境に悪影響を及ぼしています。
- 土地が荒れやすい
- 違法な森林伐採が進んでしまった
- 深刻な水不足を生んでいる
このアボカド生産によってメキシコのウルアパンでは地盤が貧弱になることにより、予期せぬ地震を引き起こしました。
なんと一ヶ月に3,000回以上も地面が揺れた月があったほどです。
地層のすぐ下に大きな空洞が出来てしまっていたのです!
またチリのペトルカでは、土地の水をテストしてみたら基準値を超える大腸菌が発見されました。
元々乾燥した地域でしかアボカド生産は不可能なのですが、それなにの水分を非常に必要とする作物でもあるので、雨量が少ない年でも無理してお水を使用してしまいます。
その無理が土地に与える影響は、恐ろしい現実を引き起こしてしまっているようです。
ここで大きく問われるのは「豊かな国」のために、熱帯の国々の水が脅かされているということです。
3.輸送で発生するCO2の量も多い
生産国から需要の多い国への輸送には、多くのCO2が発生することも大きな現実問題です。
地球温暖化対策に逆行している点でも問題視されています。
4.中南米の難民危機の一助にもなってしまっている
アボカド・ブームによって資金が農村に流入すると、当然のように窃盗団も増えてきます。
農家に護衛を強要させたり、自動小銃で恐喝したりと農民の暮らしを脅かす流れが出来てきています。
従来の麻薬カルテルと並んで、アボカド・カルテルとも呼ばれ、ますます難民を増やしてしまう結果となっています。
メキシコの国境を目指す難民の中にはこのアボカドの生産地から逃れた人々も多数含まれているのです。
つまり、アボカドの生産は永久的に続くものではないということがわかります。
今の日本のアボカド消費の現状も、決して不変のものではないと言うことでもあります。
「森のバター」と呼ばれているアボカドには10種類以上のビタミンが含まれており、植物性の脂肪も豊富です。
↑ 本当はとっても貴重で大切にしないといけない食材なんだよね!
そんな素晴らしい果実を、われわれ日本人は年間約2万トンもメキシコから輸入しています。
アボカドだけではないかもしれませんが、生産地の現状を知り、スーパーに並ぶ安いアボカドがいつまでも食べれられるものではないことも脳裏にはしっかり入れて置くべきかもしれませんね。
とても高級な食材として大事にいただく日が近いのかもしれません…。
私たちの当たり前が、生産国の現状を脅かしているのであれば、それは改善されるべき課題だと思います。
そんなにも水を必要とするアボカドは、もはや「悪魔の果実」というよりは、本当は相当、「贅沢な果実」なのかもしれませんね!( *´艸`)