韓国の統計庁は7月28日、「2021年人口住宅総調査結果 登録センサス方式」を公表しました。
1949年以降の人口統計で初めて人口が減少したことがわかったのです。
韓国では1960年前後には「ベビーブーム」もあって、1960年には6%の増加というすごい増加率でした。
ちょうど私の年代が韓国では沢山いるということでもありますね(#^^#)
日本のベビーブームの頃でさえ、4%台の人口増加だったことを考えると凄い数字です。
この現実から、韓国はこのような急激な人口増加を受けて1961年より出生抑制政策を講じたのですがこの政索は1995年まで長きに渡り継続されました。
人口の増加は経済成長のマイナスになる!
確かにそうかもしれませんが、2020年には0.84%と下落し、2021年では更に0.81%まで落ち込んでしまいました。
この人口減少の原因については色々な要因があると思いますが、主に2つと言われています。
プラス「コロナの影響」というのも無関係ではないと私は思います。
- 若年層の非正規雇用化
- 教育費の高さ
この両方に言えるのは、「大手企業最優先の社会」という背景があるように思います。
↑ 大企業が集まるソウルのビル群…
1.若年層の非正規雇用化
大企業はグローバル企業が圧倒的に多く、誰もがそこを目指します。
中小企業を希望する若者は少なく、みんなが「大企業」を目指すので当然そこの正社員になることは難しくなります。
グローバル市場においては需要の増減が激しいため、雇用調整のしやすい非正規雇用を多く雇うようになっていきます。
そうなると、正規枠に漏れた若者は「非正規雇用」からスタートして正規社員を目指すことになるのですが、そこはなかなか上手くはいきません。
(日本でも同じような状況が起こっていると思います)
こんな不安定な給与と立場で結婚を認める家庭は少なく、結婚すら出来ない若者も増え、自動的に子供の出生率は減ることになります。
2.教育費の高さ
これも1番とほぼ同様な結果に繋がってしまいます。
良い会社に入るには良い教育を受けなければなりませんが、韓国の中学や高校はそれほど大きな学力水準の違いはありません。
(日本では良い中学から受験して…などという選択肢もありますね…)
誰もがまず目指すのは「ソウル大学」です。
↑ https://4travel.jp/os_shisetsu/10422390より引用させていただきました
ソウル大学です!
次いで「高麗大学」「延世大学」が人気ですが、学校教育だけではここら辺りの大学に合格するのはほぼ無理だと言われています。
そうすると高くても合格出来るような高額な「塾」に入れないといけないのです。
↑ 延世大学も雰囲気がありますね!
その塾も高額すぎるので、子供も一人っ子ならまだしも、何人もいた場合は破産してしまいます。
つまり結婚までいっても、子供は一人とか産まないという家庭も多く、少子化は止められないのが現状になっています。
こうなると今後も人口増加の兆しは見えにくく、ますます少子化は避けられないことになります。
↑ 元気であれば…と思ったこの頃を過ぎると…「塾」なんですね…
日本も1番も2番も他人事ではありませんね!!
経済を考えての「出生抑制政策」でしたが、今度は人口が減り続けることでの経済への悪影響も考えないといけなくなります。
大企業も中小企業があってこその大企業であるということを考え、「中小企業」を守るという理念を忘れてはいけないと思います。
大企業に務めなければ人生は終わる
大手中堅企業、公務員、公企業の受け皿が9.7万席に対し、30万の若者が挑むのですから残った20万の若者は自分の現状に嘆き、今までの勉強は何だったのかを考え悶々と暮らしているのかもしれません。
大手と中小では給与も倍近く違うというデータもあります。
大学卒業後もアメリカに留学したり、資格を取ったりと更に勉強を続け自信をつけて「自分をアピールできる何か」を身に着けて挑む若者も多いです。
- 男子には兵役もあるので、卒業後直ぐに就職ということではないようです。
- 女性は容姿の部分も大きいので整形してから挑むという若者もいるようです。
社会の背景の違いはありますが、日本でも「非正規雇用」の問題は大きくなっています。
ちょっと違うかな…違っていてほしいなと思うのは「大企業思考」だと思います。
大企業だって危ない!!
それをここ数十年で凄く感じております。
- あの大企業が合併?
- あの大企業が倒産?
なんてことも日本では結構あり得るようになっていますね…。
アメリカなどはもっと顕著かもしれません!
日本の未来を考える時、他国の現状はとても参考になるし、決して他人事ではないと思っています。
ベビーブームと少子化
どちらが経済的にまだマシなのか…それはよくわかりませんが、子供を生みたくない社会というのは良い訳がありません!
色々考えさせられた韓国の人口減少のニュースでした…(^^;)