私は職場も新宿で、よく映画にも行くのでこの辺りは通ることも多いのです。
前に記事にした「歌舞伎町タワー」も4月14日のオープンを控えて、トー横の存在はこれからはもっと注目されていきそうです。
(トー横とは「歌舞伎町タワー」「APAホテル」「ゴジラのビル」に挟まれた広場のことです)
↑ 昔から様々な映画でも舞台になったこの場所…
家出をしてきた感じの若い少女が、キャスター付きのスーツケースを持って集まっているのも何度も見かけたことがあります。
以前はここで炊き出しなどをして少女達に食べ物を提供していた「ハウル」と名乗る32歳の男が、少女に対するわいせつの罪で拘留され、刑務所内で亡くなったというおかしな事件もありました。
今月の25日の深夜から、私服警官110人が若者たちに直接声をかけ、未成年者を補導していったとのことです。
頼る場所も人もいない少女たちは立場が弱く、そういう性被害にあったとしても警察に補導されて家に連れ戻される方が嫌だと思っていたりします。
学校にも家庭にも馴染めない少女たちが、声をかけられるままに犯罪に巻き込まれていく様子をずっと長い間放置してきた方が私は不思議でした。
もう1つの大きな問題が「オーバードーズ」と言われる薬物依存です。
市販薬の咳止めなどを過剰に摂取し、気軽に「現実逃避」出来るということで震えながら路上に倒れる様子などがツイッターなどでも拡散されていました。
20錠くらいからスタートして、80錠とかを一気に接種するらしいですが想像しただけでゾッとしませんか??
これも以前に「ラムネかな??」なんて思って見ていた光景が、これだったのか…と知った時の恐怖はなんとも言えませんでした。
↑ https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20210701.htmlより引用させていただきました
びっくりするほど「市販薬」での薬物使用が増えています
彼女たちの心の中を支配している感情は、
「消えてしまいたい…」
なんです。
そこに集まってくる少女たちは13歳~19歳位の子が多く、
- 学校などでイジメにあっている
- 家族から虐待を受けている
- 信じていた友人に裏切られた
など、心に傷を持っている少女がほとんどです。
その場所を閉鎖したところで、今度は場所を変えて集まるのだろうと思えるのです。
同じような悩みや問題を抱えた仲間といると心が安らぐと言うことなんだと思うのです。
先日補導された少女たちは家に帰ることになりますが、個々の問題をよく聞いた上で返さないとまた直ぐにどこかへ逃げて行ってしまうでしょう。
一ヶ月位共同で生活できる場を与えて、カウンセラーが話を聞いてあげられるような場があったらどうでしょう。
- すぐに返して問題がない家庭なのか
- 学校も教育委員会などがイジメの調査をしてから転校などを考えてあげられないのか
- メンタルの病気がある場合は、通院などの手配はできないのか
などなど課題は山積みな気がするのです。
悲しいことですが、少女たちを性のターゲットとして狙う人間がいることも確かなことです。
↑ 「食べ物と泊まる場所を提供する」って言われても怖すぎる…
コロナ渦の中で集まり始めたということですが、行き場を失った少女たちはここに安らぎを求めていたのでしょう。
補導を強化するだけでは何の解決にも繋がっていないのではないか…。
そんな風にも思います。
自分の職場からも程近い場所で、こんな現実があることは本当に悲しいことです。
全員を一律に補導して、一律に家に返すということではなんの解決にもならないように思います。
↑ 補導しては家へ送り返すだけで本当にいいのかな…
家に返したら終わりじゃない「見守り」をしていく重要性を感じます。
私自身も養母に育てられていて、中学生ぐらいのときは同じように家庭に色々問題を抱えている同級生とつるんでいた時期がありました。
規模は小さく、「何時メン」(いつもいっしょの仲間)とのじゃれ合いのような感じなので、特に大きな問題に巻き込まれることはありませんでしたが「心の隙間」についてはよくわかります。
当時はさり気なく守って下さる大人も多かったように思います。
↑ 近くの「大久保公園」はこの位の塀がないと人がたむろしてしまうそうです。
直接声をかけるということも、今の時代では危ないので出来ませんね。
誰がどのように見守っていくのか、都会の片隅で人知れず命を落としたり、犯罪に巻き込まれたりする若者が一人もいない社会にするにはどうしたらいいのか…。
↑ なんとなく大通りに早く出たいと思う時があります
新宿TOHOへ映画を観に行く度にそんなことが頭をよぎります。
歌舞伎町はイメージを変えようと必死ですが、「危険な街」というイメージはなかなか払拭できませんね…。