毎年行われている自衛隊主催の「総火演」ってご存知ですか?
富士の裾野の東富士演習場(静岡県御殿場市)で行われている自衛隊の訓練を一般客を入れて行う演習披露のようなものです。
例年は暑い夏に行われてきましたが、今年はオリンピックのこともあり、5月22日に行われたようです。
今年はその中で、新たな装備「汎用軽機動車」がお目見えしたようです。
例年は10式戦車やAH-64D「アパッチ」戦闘ヘリコプターなどが実弾射撃を披露するなかで、今年始めてお目見えしたのがこの「汎用軽機動車」なんだそうです。
↑ https://trafficnews.jp/photo/107400#photo5より引用させていただきました
ジープタイプの「1/2tトラック」よりも小さく、何故この小ささが必要かというとオスプレイに装備するためには通常の1/2tトラックでは大きすぎるのだそうです。
2020年より新型のティルトローター機V-22をオスプレイに導入してきたのには理由があります。
オスプレイは飛行場のない島嶼部の防衛や災害派遣などで自衛隊員を迅速に展開させるにはうってつけの航空機であるので、それに乗せる小型の車が必要だったのです。
この新型オスプレイの最大幅は約1.72mと狭く、貨物に使える幅は1.5mとかなりコンパクトな車じゃないと入らないんですね…。
この1.5mという幅は、既存の軽ハイトワゴンはもちろん、軽トラックですら入らない寸法なんです。
↑ https://trafficnews.jp/photo/107400#photo8より引用させていただきました
実は、この汎用軽機動車の原型は、川崎重工が生産する「MULE(ミュール)」という車です。
ミュールにも幾つかの種類があるようですが、自衛隊が使用しているのは、4ドアで座席が前後2列になっている「MULE PRO-FXT」というタイプが原型のようです。
乗員数は最大で前後に3人ずつで6人となっています。
↑ https://trafficnews.jp/photo/107400#photo3より引用させていただきました
後部座席を折りたたむことで後部の荷室を広げることも可能という優れもので、牽引能力は最大1トンという点も重たい迫撃砲を引っ張るには最適なんだそうです。
MULEは公道での走行を想定した作りにはなっていないため、道路運送車両法に定められた保安基準に適合していません。
自衛隊では、このMULEにバックミラーやウインカー、リフレクターなどを取付け、自衛隊の専用ナンバーを取得して一般道を走っています。
2021年5月現在では、10台のMULEが長崎の相浦駐屯地にある水陸機動団にて評価試験と教育訓練に使用されています。
オスプレイに装備すること以外でこのMULEを使用するメリットはほとんどないので、これからも配備先は水陸機動団など一部の部隊に限られると思われます。
アメリカでは、このオスプレイ用の車両として、ITV「グロウラー」やポラリス「MRZR4」を導入しています。
日本はちゃんと国産車で要件を満たす自動車を作れちゃうのですから、日本の車両製造技術も凄いなって思います(#^^#)
↑ 実際はとっても大きいけど、これは何車というんだろう…
実は数年前に私は総火演の演習を観ています。
友人が知り合いの方に誘っていただいて、私までもがそのチャンスに恵まれたのです。
毎年凄い数の応募があって、とても狭き門とお聞きしていたので、人生最初で最後だろうと思って参加させていただきました。
↑ こんなに近くに観れることは「総火演」以外にはないですからね…
戦車などから、「ドーン・ドーン」と発砲するたびに地響きのようなものを身体で感じます。
その音と迫力、身近で戦車やヘリコプターを観る機会を得られて、本当に感動でした。
↑ 凄いですよね!これに乗って空を飛んでみたい…
貴重な体験が出来たことを今でも本当に嬉しく思っています。
本当にお若い、まだまだ幼さが残っているような自衛隊員の男女が、人員整理や物販にあたっておられたことが印象に残っています。
有事には人の命と向き合い、救助などにあたられる思うと頭が下がります。
日本は地震が多い国でもありますし、自然災害がこのコロナ渦に重ならないことを祈るばかりですね…(>_<)