一回目は15日に主人と、二回目は20日に友人と行ってきました。
2回観ることで色々なことが見えてきて、やっぱり観劇は楽しいです(#^^#)
こちらの「せたがやこどもプロジェクト」については以前記事にしています!
↓ その時の記事はこちら
↑ 駅にはこんなポスターが! 本日いっぱいで撤去されてしまうのですね…
上のポスターは…
20日は千秋楽だったので、既に公演は終わっています。
なので少しばかりネタバレしてもOKかと思っています(#^^#)
↑ 「三軒茶屋」の駅と繋がるキャロットタワーの3階がシアターです!
舞台セットはまるでおもちゃ箱!
客席もセットの1つかのように、キャストが走り回ります。
街にタワーマンションが出来ることで、影が出来てしまったことがグロウ家の主婦ドールにはたまりません。
だけどそこの一人娘であるロージーはそのタワーの一番上に住みたいといいます。
タワーを作っている労働者スキップと仲良しになり、普通は入れない場所へも入れて益々タワーに憧れてしまうロージーでした。
ロージーと同じ日に同じ病院で生まれたのがアイス家のティモシーです。
↑ ティモシーのお父さんのジョンは漁師で、「サメの歯」が結婚のプレゼントだったそうで…
二人は「あのタワーの一番上に住みたい!」という共通の夢を実現させようとします。
その頃スキップはタワーの工事中に事故で死んでしまいます。
年頃になった二人は結婚してタワーの最上階に住みます。
ところが、妊娠した妻を残してティモシーはネズミに追いかけられて、32階まで来て死んでしまいます。
35階建てのてっぺんはもう少しだったのに…
ロージーは我が子に「メルセデス」と名前を付けます!
父親のティモシーが「メルセデス」という車が大好きだったからという理由です。
やっぱりこの舞台のタイトルは、あの有名な車の名前から来ていたのか…と思ったり…(;´Д`)
憧れて住んだタワーはどんどん朽ちてしまい、屋上には鳥が棲みつき、地下には蜘蛛が糸を張ります。
↑ ロージーはケーキ屋さんで働いていましたが、食べすぎて…
メルセデスの友達は亡くなったスキップの孫娘の「ヒッコリー」でした。
メルセデスの母ロージーは太ってしまって自分の最上階の部屋から一歩も外に出られなくなります。
メルセデスもお母さんと部屋に籠った生活をしていて、面倒をみているのはヒッコリーとお母さん(スキップの娘)のヒルダでした。
↑ こんなセットもあったんですね!! なんでトトロが??
王様のように自己中心的なメルセデスに仕えるように接するヒッコリー。
孤独なヒッコリーもまたメルセデスに愛されたかっただけなのです。
ある日母、ロージーが原因でタワーは大爆発してしまいます。
↑ 爆発してバラバラになったタワーです!
全てを失ったメルセデスだったため、いつの日か立場は大逆転…。
ヒッコリーに仕えて彼女の愛を得ようとします。
大人でもちょっとブラックと感じられる内容だし、登場人物はすぐ死んじゃうしで、子供が観るとどんな感想を持つのだろうか…
と心配になりましたが、近くに座っていた子供は思わぬところで笑ったりします。
子供の視点と大人の視点はやっぱり違うのでしょう。
小道具が凝っているので、そこにも注目しているのかもしれません。
ネズミのマント、蜘蛛、黄色い鳥、ケーキ、ヘルメット、街の家々などなど、小道具はとても綺麗に作られています。
小道具の家々が時にキャストが座る椅子や踏み台になったりします。
↑ ネズミがティモシーを追いかけるシーンでこれを被って追いかけるのは息子です(^^;)
そして終演後はその小道具を舞台の端に並べて下さるので客席側から傍で写真を撮ったり出来るのです。
小道具を目の前でみている子供達の目も輝いていました!
不思議な世界に引き込まれるような感覚を持てる舞台でした。
↑ 最も不気味だった「メルセデス」のネズミの毛皮のマント!
監督は白井晃さんで、白井さんは世田谷パブリックシアターの芸術監督でもいらっしゃいます。
プログラム(1,000円)も購入してきました。
↑ 読み応えありました! 白井さんの想いが沢山書かれていました…
全てのキャストが「語り手A〜I」を演じ、そしてキャストとしての役もあります。
その他に鳥や蜘蛛、ネズミなどの小道具を操るのもキャストの仕事です。
大道具をセットするのもキャストです。
↑ 物語の終盤にキーとなる黄色い鳥
語り手が物語を語りながら話が進むので、分からないことはほとんどありません。
そこが子供にも見やすい理由かもしれません。
3世代に渡るタワーに纏わる小さな街の2家族を語り手の話を追いながら、目でも楽しむ舞台です。
ミュージカルじゃないので歌はありません。
↑ 蜘蛛は大きく良く出来ていました…
↑ 蜘蛛の巣で作られた地下室の女王「ヒッコリー」のマント
大人になってしまうと、色々余分なものが見えるので、単純にストーリーや見た目の小道具に集中できていないのかも…そんなことを考えました。
- 夫の変な趣味をカッコいいと思うアイス家のお母さん
- 剥げたり太ったりすることに無頓着になってしまう中年の悲しさ
- 自分は王様だと何もわかってない孤独な青年が、人を支配しようとする様
そんなことまで見えちゃうのはやっぱり自分がこの年齢まで生きてきたからか…
↑ アイス家は代代魚屋さんです!
そう思うと人生とは「見えなかったものが見えるうようになる代わりに、凄く大切なものが見えなくなってしまっているのかもしれない…」
そんな風にも思ったりしました。
主演の細田佳央太さんは初舞台とは思えない堂々とした演技でした(#^^#)
↑ こうして終演後は小道具を見せていただける時間を設けています!
息子はアイス家の初代お父さんジョン・アイス役でした。
↑ あっという間に死んじゃってました(◎_◎;)
割と早くに死んじゃうので、小道具を操ったり語り手としての登場の方が多かったけど頑張っていました(#^^#)
無事に千秋楽まで一人も欠けることなく駆け抜けてくれて、本当に良かったです。