「サブール」と呼ばれるオシャレ集団がいるのはアフリカのコンゴ共和国です。
コンゴ共和国は日本とほぼ同じ面積なんですって!
彼らは、決して裕福な環境に育った人々ではありません。
国民の平均月収も3万円を切っています。
それでも「洋服を買うための仕事」を一生懸命に熟し、大好きな洋服を身にまとった彼らには自信と優雅さが満ち溢れています。
月収の4割位をブランドの洋服に費やしている彼らこそ「サブール」と呼ばれるおしゃれ集団です。
私が始めて「サブール」を知ったのは8年くらい前に渋谷の西武デパートで写真の展示会をやっていたからです。
↑ https://monoco.jp/article/sapeur-interviewより引用させていただきました
その時そのファッショナブルなアフリカの紳士たちの写真に目を見張ってしまいました。
サブールの意味は「おしゃれで優雅な紳士協会」という意味のフランス語です。
彼らのファッションを「サップ」と呼んでいます。
色も奇抜でとても目を惹くのですが、色は3色に絞っており、その着こなしは街中の人々も一目おいています。
彼らが街を歩くそのポージングもまた、さっそうとした気取った歩き方をしており、これがエレガントな作法で、紳士らしい振舞いのひとつだと言われています。
彼らが高価なブランド服に身を包む意味とは?
コンゴ共和国はカトリックを信仰している人が多く、「平和への祈り」が定着しています。
平和をファッションと結びつけたのが彼ら「サブール」であり、90年もの歴史があるのです。
↑ https://www.ryman-traveler.com/entry/2016/11/16/182350より引用させていただきました
そのため、普段はふつうの洋服で仕事をし、土日の礼拝には身なりをビシッときめて、出かけていくのです。
また、フランス帰りの活動家「アンドレ・マツワ」がビシッとパリの紳士張りの格好をしていたことも影響しています。
道を歩いていても、周りから称賛される存在である「サブール」は、紳士の代表でもあります。
皆の模範となるような、紳士的振る舞いや態度を崩すことはなく、常に暴力的なことから一番遠い存在なのです。
↑ https://hofstede.jp/market_trend_paris201802/より引用させていただきました
つまり「平和の象徴」ということになるのです。
フランスの洋服への憧れが最初だったとしても、コンゴでは独自の美意識が加味されて独特な世界観が生まれました。
ハマキやパイプを加えるサブールもいますが、周りに煙が行かないような配慮も欠かさないと言います。
やっぱりどこまでも「紳士」なんですね( *´艸`)
若かりし頃は、やんちゃで喧嘩ばかりしていた男子が「サブール」を目指し、立ち居振る舞いが紳士的になっていく様は素敵ですよね!
エレガントな装いにはエレガントな立ち居振る舞い!!
心も穏やかになり、雰囲気まで変わって行くのだそうです。
↑ 美的センスもコンゴ共和国の人は特別なようです。
コンゴに内戦が起きた時は、サブールたちもおしゃれは出来ませんでした。
つまり、平和だからこそ「サブール」ファッションは出来るのであって、おしゃれをすることが平和へと繋がる。
「洋服か、武器か!!」
と問われたとき、多くのコンゴの人々は「洋服!!」を選ぶと言われています。
これからもサブールの「武器を捨てエレガントに生きる紳士たち」は世界の注目を浴びていくと思います。
彼らは単なるおしゃれな男たちではないんですね!
そこには平和を意識し、己の思想を体現することで世界に多大なるヒントを与えてくれています。
↑ チーフ、ネクタイ、時計すべてがエレガントです…
あくまでも優雅に、美しく生きて行けば争いとは無縁になれる。
私は一度でも彼らの写真展示会に行けたことを本当に良かったと思っています。
東京でも、アフリカ出身のオシャレな方々が銀座を歩いているのを見かけたことがあります。
それが「サブール」の人達だったのかはわかりませんが、とても素敵なステッキ、チーフ、ピンを身に着けていて、今でも忘れられない光景です。