バイデン大統領は6月17日、アメリカの議会で可決したこの日(6月19日)を「奴隷解放を記念する日」=「ジューン・ティーンス」と呼び新たな休日とすることに署名しました。
アメリカでは久しぶりに新たな休日が法律で制定されたことになります。
署名に先立ってバイデン大統領は、
「黒人奴隷の解放によって平等の実現に向けた取り組みが終わったわけではなく始まっただけだ。われわれはまだそこにたどりついていない」
と述べ、根強く残る差別の解消に取り組むことが必要だと強調しました。
https://www3.nhk.or.jp/NHKのニュース記事より引用
昨年度はアメリカ国内でも多くの人種差別に端を発した事件が数多く起こりました。
- 黒人男性が白人の警察官に抑え込まれて死亡する事件
- アジア系の男女がニューヨークで立て続けてに襲われるという事件
など数多くの「人種差別」から、アジア系の警察官までもが襲われてしまっている現実に国がようやく動き出した感じですね。
私がニューヨークに留学した当初、学校のクラス内で色々な課題について討論したりする授業がありました。
その時、かなり記憶に残っている課題授業の中にこの「人種差別」というのがあったことを思い出します。
ちなみに記憶に残っている課題授業の中味は、
- 人種差別について
- 戦争と平和について
- 映画を観るという事について
という3つはかなり記憶に残っています。
「人種差別について」の課題授業の中で出て来た人の名前で一番今でも忘れられないのが「キング牧師」という方です。
↑ ワシントンD.Cにあるキング牧師の石像です
アメリカでは1983年にこの「キング牧師の記念日」を祝日に定めて以来、今回は40年ぶりの休日の制定になります。
キング牧師の名前は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアと言い、プロテスタントバプテスト派の牧師さまです。
1964年にはノーベル平和賞を受賞されています。
キング牧師が最初の抗議運動を行ったのが、1954年に当時の地元アラバマ州モンゴメリーのバスで黒人が白人に席を譲らなかったことで逮捕されたという、とんでもない人種差別事件でした。
その後国内では様々な形で黒人差別に対する「座り込みによる抗議」などが展開され、メディアの力で風向きも変わっていきました。
キング牧師の凄いところは「非暴力主義」を貫ぬいたということです。
暴力による弾圧を暴力で返してしまっては、この問題の解決には繋がらないということがわかっていたのだと思います。
リンカーン大統領によって「奴隷解放」が宣言されたのが1863年のことなので、キング牧師の記念日まで120年もの間、「人種差別」の問題は解決されることなく延々と続いていたということになります。
100周年の時には、リンカーン記念堂の前でキング牧師が演説を行いました。
↑ リンカーン記念堂です!
この演説が牧師の最も有名な言葉として残っています。
「I have a dream!」(私には夢がある)
この演説で牧師は「人種差別の撤廃と各人種の協和」を訴え、広く世界中から評価されました。
リンカーンが「奴隷解放」を宣言し、キング牧師が「人種差別の撤廃」を訴え、それでもなお解決していない「人種差別とヘイトクライム」の問題。
6月19日の休日の制定で何かが変わるのかはわかりませんが、アメリカ国内だけの問題でもないと思います。
世界が共通の「ノー差別デー」を設けるなど、全世界から差別がなくなることをどうしても祈ってしまいますね。
人間は人種を選んで生まれてくることは出来ません。
どの国の誰として生まれてきても、誰もが夢を持てる世界であればと心から願ってしまいますm(__)m