本来は八丈島でしか観られないと言われていた「キョン」が今や千葉でも大量に出没し、農地を荒らしているのでとっても厄介です。
顔は本当に「バンビ」のようで可愛らしいのですが、その増え方はえげつない感じです。
↑ なんとも可愛らしい顔をしていますが…
キョンとは中国や台湾を原産とする小型のシカで、元々は動物園から逃げ出したものが繁殖して定着してしまったのだそうです。
体長は40cmで体重は約10km。
小型ですが単独で行動し、縄張りも持つ習性があるそうです。
オスは角を持っていますが15cm前後と短く、上顎犬歯が発達しているので嚙まれたりしたらかないダメージを受けそうです。
現在、千葉県・房総半島南部と東京都・伊豆大島のほぼ全域で分布が確認されています。
私が若い頃は、「八丈島にはキョンがいる」という感じで、八丈島では見られるかも…ぐらいの動物でした。
それが今や、千葉県でもキョンの定着が確認されている市町村数が2004年度には5市町だったのに対し、2020年には17市町まで拡大しちゃっています。
千葉へキャンプに行けば出くわす率もかなり高そうですね!
やっぱりクマと同様で、残飯は外に放置しないのが一番かもしれません。
短めではありますが角があるので、テントへの被害も気になるところです。
↑ 見かけは怖くはないですが…
農地への被害も深刻で、水稲、豆類、いも類、野菜類、果樹、特用林産物など多岐にわたっていて、年々増加傾向です。
イギリスでも研究が進み、キョンは本来シカは食べないアリドオシも採食するので、生態系への影響が危惧されています。
今まで生息していた蝶などの昆虫類が絶滅する可能性さえ秘めています。
農地への被害を防ぐための金網、ネット、電気柵などの侵入防止柵を設置する場合は、キョンのジャンプ力を考えると90センチの高さが必要です。
当然捕獲も進んではいるのですが、2019年にはその数は5,000頭を超えています。
やり方としては「くくりわな」を使用したものがほとんどです。
大島では特産品のアシタバへの被害をはじめ、椿油用のツバキやキュウリなどの食害が深刻で、観光にも影響を及ぼしかねない深刻な状況になっています。
キョンの鳴き声は低く唸るような声でお互いに危険を伝達するので、その騒音も気になります。
住宅地ではキョンの糞の被害も深刻です。
ひと昔前は「八丈島のキョン」という愛称のような感じで笑顔とともに語られたキョンですが今は問題しか引き起こさない「特定外来生物」に指定されています。
今日はキョンだけでなく市街地にアライグマが出没して、警察官や消防隊員の捕獲で大捕物を繰り広げたり、ヌートリアやタイワンリスなど、特定外来生物が繁殖して人里に現れる事件??が多発しています。
↑ ヌートリアです!
↑ タイワンリスです!
陸地だけでなく河川なども外来種の怖い魚たちが山のように放たれている現状も恐ろしいですね。
ペットとして飼う魚や動物を勝手に放す輩が後を絶たないという現実もなんとかならないのでしょうか。
珍しいものが欲しい→飼育が面倒だからいらない→そこら辺に放す
そんな本人にとっては些細なきっかけが、未来の子供たちの食生活に悪影響を及ぼしかねないということを知ってほしいです。
そうでなくても様々なウィルスに地球は振り回されているのに、外来生物で日本の農家や河川が危ない!なんて悲しすぎます(´;ω;`)ウゥゥ
↑ 代表格のような「ブルーギル」です…ちょっと不気味…
元々は千葉県の動物園から逃亡したキョンが始まりだとしたら、それが八丈島に渡った経緯とかも気になります。
八丈島にそもそもキョンがいた訳ではないということも知り、動物園から逃げるというだけのことでここまで影響を及ぼしてしまうということも恐ろしいと感じます。
動植物の生態系を守ることが、私達の生態系も守っている!
そういうことなんでしょうね…(;´Д`)