最初に香港に行った時は、この「九龍城砦」は周りの公園から眺めただけでした。
当時赴任していた友人のご主人の忠告で「近くにも寄ってはいけない」と言われて遠目に見たことを覚えています。
↑ https://diggity.info/culture/kowloon-walled/より引用させていただきました
その後、1999年に家族で行った時は、すっかりその姿は無くなっていました。
「九龍寨城公園 」になってからは当時の様子はすっかり消えて当時の様子が垣間見れる「資料館」と「史跡」があるだけになっています。
↑ 九龍寨城公園 | 香港ナビより引用させていただきました
今では緑もいっぱいの綺麗な公園です
九龍城砦は元々は中国王朝の軍事要塞でした。
その後は「垂直のスラム街」とか「悪の要塞」とかと呼ばれるようになり、「一度入ると二度と出られない」とも囁かれる怖い場所になっていきました。
当然のように売春、麻薬売買、武器の売買、賭博などが行われていて、中国マフィアの巣窟とも言われていました。
人口密度も恐ろしく、50,000人が住んでいたと言います。
これは一畳に3人が暮らしているという計算になります。
↑ https://uraluz.exblog.jp/22552579/より引用させていただきました
一時は法律がない「無法地帯」になっていた期間(アヘン戦争後)もあり、当時統治していたイギリスも入れず、中国も入れず、香港警察も手が出せないような場所でした。
当然建物は違法建築だらけで、どんどん上へ増築するので、屋上は飛行機が飛ぶギリギリのところまで伸びていきました。
↑ https://www.businessinsider.jp/post-1652より引用させていただきました
当時は近くに「啓徳空港」という国際空港がありました。
ここで誕生した唯一のルールが「14階以上は作らいない」というルールですがアンテナを考えると飛行機の操縦士側もかなり怖かったのではないかと思います(;´Д`)
↑ https://courrier.jp/news/archives/224365/より引用させていただきました
電気も剥き出しの配線を繋げていたので、ボヤ騒ぎは日常茶飯事で、水も給水所に取りに行く形でした。
当然そのまま飲めるような水(地下水)ではありませんでした。
その中で繁盛していた職業は「歯医者」だったと言います。
かなりの数の歯科医が軒を連ねていたというのはちょっと驚きですね…。
中国で免許を取った歯科医も多く、無免許でも開けるという相当怖い歯医者ですが、「料金が安い」ということで一般の庶民でも通う人がいたと言います。
↑ https://www.businessinsider.jp/post-1652より引用させていただきました
イギリス領土として香港の法律をこの地区にも実施して「取り壊し」を発表した時は、現地に暮らす人々の反対運動にかなりの時間を要したと言います。
最後の最後まで立てこもって、警察と衝突をした住民もいました。
こんなミステリアスとも言える空間は、その後もアニメやゲームなどにも取り入れられて、映画でも最近では「追龍」という映画(2020年)でその頃の九龍城砦の様子を再現した内容が盛り込まれています。
ドニー・イエンとアンディ・ラウの共演ということでも注目を集めた映画です。
どんなところだったのかをこの映画で観ることも出来そうです。
↑ https://wired.jp/article/stray-design-walled-city-kowloon/より引用させていただきました
ゲームでも九龍城砦の独特な雰囲気はプレイする人の気持ちを高揚させてくれるのに一役買ってくれそうですね!
日本でも取り壊し前の1980年頃には、この城砦のことが知れ渡ると「ブーム」のようになって日本人向けのツアーなどもあったようです。
テレビでも特集されたこともあったようで、私はちょっとだけ記憶があります。
住民のインタビューなどもあって、「ここには絶対に住めない…」と思ったことがあります。
現在では治安なども良くなって、商店街の方には美味しいお店などもあるので、観光で行かれた際は寄ってみてほしいと思います。
↑ 跡地の公園では当時の建築とかがわかる史跡なども残っています
今現在香港でこの「九龍城砦」に似ているかなという場所は「重慶大厦」(チョンキンマンション)という築60年を超えている複合ビルです。
↑ 古い建物も香港にはとても多い印象です。
地震とか来たらどうなっちゃうのか…ちょっと怖くなります。
エレベーターは本当にいつも大混雑でかなり待つようです。
安宿や安い飲食店も入っていますが、当然旅行でお薦め出来る雰囲気ではありません。
120か国の国籍の住民が住んでいるようですが、インド人が多い印象なんだそうで、インド料理も多く入っています。
ボッタクリに合ったという情報もあるので、ちょっと怖いなと思います。
そんな重慶大厦に、「WOOD HOUSE(ウッドハウス)」と「CKe重慶站」という2つのショッピングモールが出来てからは、大分観光客も増えて以前のような怖い雰囲気はなくなってきたようです。
ちょっと立ち寄る位なら問題はなさそうですが、安宿などはバックパッカーであってもちょっと女性はやめてほしい感じです(;´Д`)
以前よりは改装も進んでかなり綺麗にはなっているようです…。
↑ https://skyticket.jp/guide/339188/より引用させていただきました
香港の歴史と共に変わっていった街並み…ミステリアスでディープな雰囲気もどんどん姿を消しています。
それでも香港という街には「ここでしか味わえない魅力」が詰まっています。
是非訪れてみてください(#^^#)