済州島に行ったのは、昨年の11月のことになりますが、とても素晴らしい島で海の景色も山の景色も素晴らしかったです。
一緒に行った友人と時々、現地で知った4・3事件の話をしていまして、日本にはまだまだこの「大量虐殺事件」のことを知らない方も多いかも…という話をしていました。
それを広島へ行った時にキャンプ仲間のお二人に話したのですが、A君から「スープとイデオロギー」という映画がアマゾンプライムで観られるから観てほしいとLINEが来ました。
そこでちょっと観てみようと思って視聴したという経緯です。
広島では幸せのこと、戦争のこと、近隣諸国のことなどいっぱい話したので、A君はきっと私が話した4・3事件のことが引っかかっていたようなのです。

↑ 天帝淵の滝に行ったとき撮った慰霊石碑です
4・3事件とは、1948年4月3日に韓国の済州島で起こった政府による弾圧と虐殺の事件です。
島民による蜂起(南朝鮮労働党主導)が原因で、それに対する李承晩政権(アメリカ軍政下)による大規模な弾圧(虐殺、焼き討ち)が起こった事件で、数万人規模の島民が殺されたという事件です。
虐殺された島民の数は30,000人とも言われており、実際の数はもっと多かったのではないかと言われています。
済州島の住民は南北統一を求めていました。
政府、警察、右翼団体などが結束し、住民を弾圧、島の70%の村を焼き払うということを行い、島民の中には日本などへ身一つで逃れた人もいました。
私たちがこのことを知ったのは、「天帝淵の滝」へ行った時で、記事には4・3事件のことは書いていません。
↓ その時の記事はこちら
凄く長くなっちゃうと思ったので、いつか別記事で書こうと思っていたのです。

↑ 帰ってから読みたいと撮っていました。
今回の「スープとイデオロギー」という映画は、実際にその現場にいて、18歳という若さで幼い弟や妹と日本に逃げたオモニ(お母さん)の人生の物語です。
娘さんが実際に長い年月の間でカメラを回し、撮りためた記録の映画です。
なので全てが役者さんではなくご本人が映っていますので、完全なドキュメンタリー映画となっています。
↑ https://press.moviewalker.jp/mv76749/gallery/10/より引用させていただきました
娘さん(ヤン・ヨンヒ)は映画監督でもあられるので、撮り方も見やすくなっています。
(主に北朝鮮と日本の歴史的な関係などを映画化している監督さんです)
- 川の水は血が混じってて、赤くなってたんだ
- 目の前で親戚や兄弟が殺されていったんだ
- 婚約者も死んでしまったことを聞いた
それらのことをオモニ本人が語るようになるまでは、相当な月日が必要だったようです。
↑ https://press.moviewalker.jp/mv76749/gallery/11/より引用させていただきました
史実を知るために、韓国からの調査団が来てオモニに聞いているのですが、その方たちに話したオモニは数年後にアルツハイマーになってしまいます。
嫌なことを忘れられることは幸せなことですが、全く忘れている訳ではないのですよね…。
オモニはカメラを撮っている娘さんの上に3人の男の子を生んでいますが、その3人全員を北朝鮮へと送っています。
韓国を憎むあまり、祖国を北朝鮮に求めていたのです。
↑ https://press.moviewalker.jp/mv76749/gallery/6/より引用させていただきました
私たちは、客観的に「北朝鮮より韓国の方が暮らしやすいよ…」ということが言えますが、オモニの中には韓国政府への不信感しかありません。
北朝鮮なら幸せに暮らせると信じていたオモニは、現状を知ると、自分が苦しくても息子たちに働いたお金から毎月送金をしてきました。
↑ https://press.moviewalker.jp/mv76749/gallery/2/より引用させていただきました
私たちなら考えます。
そのお金はどこかで搾取され、本人たちには届いていないのではないか…。
実際に長男さんは精神を病んでしまい、亡くなってしまっていました。
「地上最後の楽園」と言われた北朝鮮の現実…そういうことは娘さんも考えたと思います。
なんで北朝鮮なのか…娘さんも苦悩していました。
それが事件を知るにつれ、娘さんや観ている私たちもどんどん理解できるようになっていきます。
それほどまでに恐ろしい現実が済州島にはあったのです。
↑ https://press.moviewalker.jp/mv76749/gallery/12/より引用させていただきました
この事件は、その後無かったことのように扱われ、語ることさえ躊躇われるような扱いでした。
ところが2003年に「真相調査報告」が行われ、その後2018年に大統領に任命された文在寅による謝罪も行われました。
今では慰霊祭もあり、多くの文献も出版されていますので、世界にも知られるところとなっています。
日本が統治していた時代の直後だったため、日本に謝罪を求めるという異論もあるのですがそこは違うと言えると思います。
その頃の日本は広島が原爆を落とされた後に敗戦となり、GHQの政策転換が進みつつある経済復興の真っ只中でした。
4・3事件は、政府が行った弾圧としては、かなりの犠牲者を出しているのでこれは教訓として世界が知っていた方が良い事件だと思います。
オモニが入院しているところで映画は終わっています。
映画の題名である「スープ」は鶏一羽まるごとの中にナツメや高麗人参・ニンニクを詰め込んで作るスープのことです。
↑ https://press.moviewalker.jp/mv76749/gallery/7/#goog_rewardedより引用させていただきました
これだけは食べてみたいと思いましたし、作ってみたいと思いました。
オモニはアボジ(お父さん)が亡くなった時も北朝鮮に遺骨を送り、息子さんたちに墓を作って貰っています。(実際は本当にお墓が出来ているだろうか…という疑問も…)
そして自分もそこへ入りたいと言っています。
↑ https://press.moviewalker.jp/mv76749/gallery/4/より引用させていただきました
娘さんと結婚された12歳年下の日本人男性が素敵な方で本当に良かったと思います。
感想を書くというより、隣国の歴史を知ることも私たちには大事なことかな…と思い記事にしました。
済州島は美しい島です。
サラッと観光して終われば、全く知ることのなかった事件だったのかもしれません。
今の済州島がずっと未来へその美しいままの景色を残して貰いたいと心から思います。






