「エルサルバドル」という国名をこのブログで出したのは2回目になります。
以前、殺人が多い国のワースト1の方で書かせていただいた記事もあります。
↓ 殺人が少ない国の記事はこちらです。
エルサルバドルでは、中絶しただけで女性は最大8年の実刑を受けるのだそうです。
それだけでもビックリなのに、それが死産や流産だった場合は、殺人罪として刑期が30~40年になることもあるというのです!
母体の命が危なくても、早産の危険があればお腹の胎児優先の処置が行われています。
あり得ない!!
それも、性暴力などで妊娠した女性にも適用されることを知り、どんな国なの?と怒りさえ湧いてきました。
↑ https://courrier.jp/news/archives/213482/より引用させていただきました
そういう目にあった女性にとっては3重苦です!
- 暴行を受けて妊娠してしまう
- 自然に流産という苦しみを受けている
- 更に終身刑のような罰則
40代の女性がこの刑期を終えたら80歳になってしまいます。
自然に流産することが殺人と言うなら、暴行する側の男性はどうなのでしょうか。
エルサルバドルには長い歴史の中で、「女性迫害の文化」というものが形成されてきました。
この問題が世の中に知れるようになったのには、ある女性の辛い経験が、女性の人権擁護団体「ウィメンズ・イークアリティ・センター」が大きく取り上げたことによるものです。
2015年に22歳のエブリンさんが、地元のギャングに暴行されて妊娠し、流産をしたことで30年の懲役刑を受けました。
自宅で倒れ病院に運ばれました。
流産を診察した病院が警察に通報し、過重殺人罪が適用されたというのですが理不尽すぎますね!
再審でわざと流産させたかどうかが論点になり、証拠不十分で去年の8月に無罪になりました。
この決定はエルサルバドルの女性にとって大きな勝利を勝ち取ったことになります。
「妊娠合併症などによる流産や死産」は無罪となることが証明されたのです!
↑ https://courrier.jp/news/archives/213482/より引用させていただきました
首都サンサルバドルで行われた中絶法に関する抗議デモの様子
それでも2年半も拘束されたわけです。
2018年には、「レイプが原因で妊娠した場合の中絶を許可する法案」が提出されるも、保守派が大多数を占める議会で可決されることはありませんでした。
「ニューヨークタイムズ」は、流産や死産が殺人罪に問われることに関しては、「生殖医療の無知によるものでは?」との見方が強いと指摘しています。
適切な医療が受けられない農村部の女性ほど、起訴対象になることが多い事からも医療の知識と地域性も関連していると考えられます。
私たち日本人からすると、女性に対する不平等さが信じられないレベルだと思います。
「治安が悪い国」というだけでは済まされない差別を感じます。
殺人が多い背景には「マラス」という巨大なギャング組織があるからだと言われています。
エルサルバドル国内にはマラスの構成員が4万人以上いると言われています。
その収入のほとんどが「みかじめ料」というのですから、国の隅々からみかじめ料を取って巨大化した組織だと予想できますね。
↑ 日が暮れてからのエルサルバドルの街…確かに怖い(>_<)
↑ 虹色に輝くと言われている「ロザリオ教会」!綺麗です…
国家も停戦協定を結んだりしてきましたが、見方によっては国がマラスの存在を認めていることにもなるんですよね。
ギャングの抗争に巻き込まれるだけでも女性の立場は弱いのに、こんな法律まであるとすると女性にとって、どれほどまでに生き辛い大変な国だと思い知らされます。
独自の法律を持つ国のやり方に対して、他国はどうすることも出来ない。
北朝鮮とかも一緒かもしれませんが、世界が1つの正しい常識を共有する時代は来るのでしょうか…( *´艸`)