病院では「ipad×Netflix」で何本か映画を観ましたが、その中でも心に残った数作品を記事にしたいと思います。
ただ、旅のブログでもあるので、その土地での地理的なことや歴史的なことにちょっと触れたりもしますのでよろしくお願いしますm(__)m
時は、2008年11月26日のことになります。
インドのムンバイでは計10か所を標的にする、同時多発テロ事件が発生しました。
このテロで亡くなったのは 少なくとも174人(うち34人は外国人)が死亡、負傷者は239人 にのぼっています。
まず、最初の標的になったのがチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅でした。
たった2人の射撃員が何人もの命を奪ったのです。
↑ チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅です
ムンバイでもっとも有名な5つ星ホテル「タージマハル・ホテル」もその標的の1つとなり、多くの犠牲者が出てしまいました。
↑ インドでは知らない人がいないという有名5つ星ホテルです
すぐにホテルを包囲しようにも、ムンバイには特殊部隊はなく、首都デリーからの助けが来るのを待つしかない状況でした。
そんな中で、お客様を守るべきホテルマン達の素晴らしい機転で、多くの命が救われました。
その実話を映画にしたのが、この「ホテル・ムンバイ」です。
主人公アルジュンは、このタージマハル・ホテルに務めるレストランの給仕係で、その日に限って遅刻しそうになりリュックから靴を落としてしまっていることに気づかずにホテルに来てしまいます。
レストランの料理長にはめちゃめちゃ怒られ、サイズの合わない予備の靴を履くことになります。
↑ ホテルのバルコニーです
こんな凄い脱出劇を行う日に、なんというコンデションの悪さなんでしょう…(>_<)
お客様も様々な事情を抱えており、セレブが多いホテルの中でも大事なお客様も到着しています。
↑ http://www.asahi.com/special/08024/TKY200811290093.html
当時のテロの日のホテル前からの報道写真です。
急に訪れたテロリスト達が発砲する中、逃げ惑うお客様たち。
地獄のような血だらけのロビー、廊下、そしてエレベーター。
映画を観ている私たちも、正に息を飲んでテロリストに気づかれないようにしてしまうでしょう。
それほど、真に迫った撮り方をしているため、呼吸が苦しくなってきます。
(もしや、手術後に観る映画ではなかったかもしれませんが?!(笑))
この映画の凄いところは、敵はテロリストでありながら彼らにも最悪な首謀者がいて、神の名を借りて彼らを操っています。
↑ https://eiga.com/movie/91024/special/より引用させていただきました
実行犯は全て年端のいかない青年たちで、それぞれの家族もある身であることも描かれています。
- テロリストは悪で彼らが全て悪いのか??
- そういう宗教の背景にある問題とは何なのだろう??
- どうして無差別にあそこまで残酷になれるのか??
その辺のテロを起こす側の問題にもさり気なく触れている映画でもあると思いました。
主人公アルジュン役はインドではこの人が出る作品は全て大ヒットということで知られているデブ・パテルです。
↓ 先日書いたデブ・パテルの「LION ライオン25年目のただいま」の記事はこちら
彼の出る作品はどうしても観ておきたいと思えるくらい、大好きな俳優さんです(#^^#)
この映画を通して考えたい事は、テロは「他人事」では無いという事です。
7月に始まるオリンピックなどの世界を巻き込む大行事が行われれば、テロの危険性は少なからず上がってきます。
無観客で行うと決まっている訳ではないので、私たち日本人がこの国内で、いつ何時そんなテロの標的にならないとは言えないのです。
この映画ではそんな時にどんな風に立ち回るのが一番安全なのか、こんな時は誰の意見を重視するのか、など多くの選択肢を自分の目で観て知ることが出来ます。
↑ https://eiga.com/movie/91024/special/より引用させていただきました
日本でテロが起こることなんて考えられない
そんな甘いものではないという事が、この映画でテロリストのムンバイ上陸から、タクシーでの移動や銃の準備などを観ていれば分かると思います。
訓練されている彼らの準備速度は驚くほど早く、1人や2人であっという間に大勢を殺してしまうことが分かるのです。
この映画を観ちゃうと、自分たちには関係がないという目でテロのニュースを観ることは出来なくなると思います。
そして彼らホテルマンのプロ意識と気高さに、5つ星ホテルの本瑞があるように思いました(#^^#)