欧州には結構な数の人魚の伝説があると言われています。
その中でもルクセンブルクのMELUSINA(メルジーナ)は、人々に親しまれている人魚なのです。
ジークフリード一世という伯爵がいました。
ルクセンブルクのモーゼルとアルデンヌの地を所有する伯爵でした
ローマ人が築いた要塞の跡地であるボックの砲台にお城を築き、そこは古代ゲルマン語で「小さなお城」を意味する「ルシリンブルフク」と呼ばれていました。
それが、ルクセンブルクという国名の起源とも言われています。
↑ 人魚のイメージってどんな感じ?
狩りが好きだった伯爵は、狩りの途中でアルゼットという美しい谷に迷い込みました。
そこには高い岩壁があり、その上から美しい歌声が聴こえてきたのです。
↑ どんな歌声だったのだろう…
見上げると美しい女性が座っていましたが、その女性こそメルジーナでした。
あまりの美しさに虜になってしまった伯爵は、迷わずメルジーナに求婚します。
彼女は結婚をする代わりに2つの約束を守ることを条件とします。
- 崖のあるこの地(アルゼット)に住まいを築き、決してここを離れないこと
- 週に一日(土曜の夜と言われています)彼女を一人にして、決して干渉しないこと
この2つでした。
伯爵はアルゼットの地を渓谷地をアルデンヌの所有地と交換で手に入れ、メルジーナのためにお城を建てたのです。
伯爵はずっと彼女との約束を守り続けていましたが、「週に一度のその時間に妻が何をしているのか気にならないのか?」と友達にそそのかされて鍵穴から彼女を盗み見してしまうのです。
伯爵が見たものは、妻の足がキラキラと美しく光るウロコが付いた魚の尾になっている姿でした。
見られたことを知ったメルジーナは、窓からアルゼット川に身投げし、二度と伯爵の元に戻ることはありませんでした。
↑ https://prtimes.jp/story/detail/pb3oAMI8wbQより引用させていただきました
アルゼット川です!
今でもメルジーナは7年に1度姿を現して、誰かがアルゼット川から救い出してくれるのを待っているという伝説があります。
1997年にはメルジーナの切手が発行され、その後も7年ごとに「メルジーナの目撃談」がまことしやかに囁かれているのです。
次にメルジーナが現れるとしたら2025年です。
ちょっと似た話しが日本でもありますよね…。
「鶴の恩返し」です。
ツウは鶴になった自分の姿を見られると、出て行ってしまい二度と戻ってはきませんでしたね。
ルクセンブルクを訪れたら、ベンチに物憂げに腰かけているメルジーナ像があるアルゼット渓谷へは是非とも行ってみたいです。
ルクセンブルクへの直行便はありませんので、オランダやベルギー、フランスを経由して行かれると良いと思います。
あまりこの写真は撮られていないようなので、自分が撮りたいぞ!と思うけど渓谷まで行くのは大変かな…(^^;)
メルジーナが飛び込んだと言われるアルゼット川は、旧市街に位置しています。
↑ 旧市街をのんびり散歩したいです…
川沿いには「グルント地区」が広がっています。
自然の美しさと歴史的建造物の融合が見られる素晴らしい景観の町です。
以前ルクセンブルクについて書いたことがあります。
↓ その記事はこちら
その後直ぐにパンデミックにより、訪欧なんてとんでもなく遠い話になってしまいました。
今回はルクセンブルクの人魚メルジーナの話を書きましたが、ヨーロッパには人魚の伝説が数多く残っています。
ロシアとウクライナの隣国である「ベラルーシ」にも人魚の伝説があって6月30日は「人魚の日」とされています。
首都の「ミンクス」では「人魚の祭り」が行われています。
民族衣装を纏った女性が花の冠を被って「人魚の舞」を踊ると言います。
私達の中にある人魚像は、主にヨーロッパの人魚であり、それはそれは美しい顔立ちをしているということです。
アンデルセン童話でも有名なデンマークの人魚も王子様との恋を実らせることだけが生きていける道なのです。
こんな美しくてロマンチックな伝説ばかりではなく、ヨーロッパでは「天変地異」を引き起こすと言われているちょっと怖い人魚も存在します。
↑ 様々な種類の人魚がいるのが面白いですね!
などがそれに当たります。
↑ どうしてもこれが思い浮かぶ…
私の脳内ではどうしてもディズニーのあの「リトル・マーメード」のイメージがグルグルしちゃいます。
皆さんの想像の中の人魚はどんな姿をしていますか?