フランダースの犬は私も小さい時に見て、大好きなアニメでした!
原題は「A Dog of Flanders」で、ウィーダという女流作家が書いた児童文学です。
19世紀のベルギー北部のフランドル地方のお話です。
ネロは絵を描くことが大好きな貧しい少年でした。ジェハンダース老人と愛犬のパトラッシュと一緒に暮らしています。
酷い扱いを受けていたパトラッシュを救って、一緒に住んでくれた老人とネロにパトラッシュは恩義を感じていました。
2人と1匹は牛乳配達で細々と暮らしていましたが、ネロはノートルダム大聖堂に行ってはルーベンスの絵のとある絵画を観られる機会を待っていました。
お金がないネロは拝観料が支払えないので、見ることはできませんでした。
唯一観れた「聖母被昇天」がネロは大好きだったのです。
↑ こちらが「聖母被昇天」です
ネロと仲良しだった幼馴染のアロアという少女は、大富豪コゼツの娘でした。
ネロと仲良くすることを嫌がっていたコゼツは、村で起きた火事についてそれをネロの仕業にするのです。
周囲の批判耐え、ネロが密かに頑張っていたのは絵のコンクールに出展するための絵を描くことでした。
その姿を知っていたのは、パトラッシュだけ。
クリスマスの一週間前に、ジェハンダース老人が死んでしまいます。
家賃を払えなくなったネロはパトラッシュと家を出ます。
そして12月24日のクリスマスイブを迎えました。
コンクールで入選したのは、ネロの絵ではありませんでした。
全ての希望を失ってしまったネロ…
その道中で大金を拾うのですが、それは大富豪コゼツのものでした。
ネロはその大金をコゼツに届けます。
パトラッシュのことをコゼツにお願いして、ネロが向かったのはノートルダム大聖堂でした。
パトラッシュもコゼツの目を盗んで、ネロを追いかけます。
ネロとパトラッシュが大聖堂に着くと、何故かその日はルーベンスの「キリストの降架」と「キリストの昇架」の2つの絵画の幕はかかっていませんでした。
↑ こちらが「キリストの降架」です
↑ こちらが「キリストの昇架」です
最期に念願の絵画を観ることができたのです。
ネロとパトラッシュの魂を聖母と天使は天国へと導きます。
↑ ここでネロとパトラッシュは天に召されたんですね…
絵の才能も優しい心も持ち合わせたネロを、追い詰めた大富豪コゼツがその後は悔い改めてネロの死を悼みます。
↑ こんな小部屋がありました。これが何の部屋かわからないのです…
ご存知の方がいたらコメントで教えていただけたら嬉しいです m(__)m
そんな悲しい物語なので、ベルギーの人々にはあまり受け入れられませんでした。
そのせいで、私が訪れた30年前には日本人のみが知る「物語」だったのです。
その後、地元でも銅像が造られるまでにこの物語が広まりました。
↑ 司祭の衣装が飾られています
↑ 懺悔室です。何人の人がここで懺悔したのでしょう
「聖母被昇天」他4大絵画を今年も実際に観ることができて本当に幸せだと思います。
大聖堂で観た色々な絵画や司祭の衣装など、旅行記では載せきれなかった写真をアップしました。
アントワープを離れてもなお、時々この「フランダースの犬」の物語を思い出す日々が続いています。
↑ タイルの毛布を掛けられて眠っています
正直で真っ直ぐに夢を追ったネロの姿を、もっと子供の頃に息子や娘にも本やアニメを通して伝えたかったと悔やまれます。
今からでも遅くはないですかね!(^^)/