日本でも法を犯せば、刑務所が待っている…これはどの国でも同じかと思います。
ですが、アメリカの刑罰の中で一番怖いのがこの「三振法」だと思います。
この法律は『 Three-strikes law』(スリーストライクス・アンド・ユー・アー・アウト法)と呼ばれるものです。
野球のイメージを下げちゃわない??ってちょっと気になりました(;^_^A
↑ 3ストライクでユーアーアウトって…(-_-;)
三振法が可決されたのは1980年のことですので、その前の犯罪と後の犯罪とでは、刑務所生活の長さが圧倒的に違っています。
その後続々とこの法律が適用され、2004年には26の州と連邦政府で施行されています。
どんなものかというと、
「重罪の前科を持つ人が3度目に有罪判決を受けた場合、最後に犯した罪の内容に関わらず終身刑を受けるという法律」
なのです。
この法律の怖いところは、「重罪」の定義です。
「死刑」にされるような重罪だけでなく、「長期1年以上の刑の科せられる犯罪」も重罪に当てはまることです。
その位の犯罪を2度犯したら、次は靴下やジュースを万引きしただけで「終身刑」になってしまいます。
当然、アメリカでも賛否両論があるのは理解できるところです。
最近では、
- もう少し刑期を短縮すべきだ!
- もう少し細かい設定が必要だ!
- 3回目じゃ早すぎる!
などの意見もあって、見直され始めています。
↑ 「一生」か…考えるとゾッとしますね…
その改定とはどんなものなのでしょうか?!
「重罪の前科が2回以上ある者が3度目の重罪による有罪判決をうけた場合には通常より重い刑を科されるとする法律」
確かにパン1個で終身刑というのはいかがなものかと思います。
20年も犯罪を犯していないのに、パン1つで一生刑務所って…まるで「レ・ミゼラブル」ですよね('◇')ゞ
その前科の2つがどんな罪だったのか、「死刑に値するものだったのか?」という違いもあるかとは思います。
この「三振法」は「マイケル・パルデュー事件」で注目を浴びました。
殺人の冤罪で刑務所に入れられたマイケルが3度の脱獄を図ったとして終身刑が言い渡された事件です。
元々冤罪が無ければ脱獄することも無かったわけですが、脱獄の際に銃の窃盗などが重なり、3度目ということで「終身刑」になってしまったのです。
↑ 罪を犯していないのに、刑務所にいたら「脱獄」したくなるでしょう…
冤罪と認められたのも「検事の暴行」「虚偽の自白」があったことが証明されたからではありますが、アメリカの冤罪は本当に頻繁に起こりうるようで恐ろしいです。
映画の世界だけでは無いようですね!!(;´Д`)
「三振法」の恐ろしさは機械的に適用されてしまう点です。
裁判官の「情状酌量」という裁判内容はいっさい無視されてしまうのです。
↑ 3犯目の裁判ってもはや「意味なし」になってしまう…
この法律の背景には、アメリカなりの事業も見えてきます。
- 刑務所の定員がオーバーになるので、抑止力として重い罪とする
- 再犯率を少しでも抑えたい
ということだったようです。
近年、バイデン大統領はアメリカの幾つかの法律には誤りがあったことを認めるスピーチを行いました。(2020年10月)
その中には「三振法」も含まれており、
「警察改革に向けては警察やソーシャルワーカー、少数派のコミュニティーを巻き込んだ『国家研究グループ』をホワイトハウスに立ち上げ、大きな改革案を提示したい」と演説で話しました。
そもそも収監率を抑えたい理由で、終身刑でずっと収監されるってなんか不自然な感じがします。
凶悪犯罪が多く、様々な人種が住むアメリカだからこそ、しっかりとした法律で国民を守る改革が必要なのかもしれません!!