プラハからチェコの国鉄で約1時間10分で「クトナー・ホラ」に到着します。
クトナー・ホラはチェコの中央部にあるボヘミア州の都市で、799年頃から「銀の採掘」が始まって栄えた都市です。
銀が15世紀の後半から枯渇し始め、かつての賑わいは薄れ、黒死病と三十年戦争でクトナー・ホラは廃墟と化してしまいます。
17世紀には銀鉱山は閉鎖され、町は大火に見舞われ、経済活動の中心はクトナー・ホラから10km離れたコリーンに移りました。
↑ https://www.excite.co.jp/news/article/ExnewsGotrip_65370/より引用させていただきました
遡ること13世紀には、このクトナー・ホラで2つの大きな出来事がありました。
これらのことがあって今のチェコ観光には欠かせないクトナー・ホラの街が出来上がったと言っても良いかもしれません。
そしてその対照的な2つの建造物もまた注目すべきだと思います。
1.光の教会と呼ばれる「聖マリア大聖堂」の建設
当時の建物としてはチェコ最大だった「聖マリア大聖堂」ですが、大きな窓から差し込む「光」が本当に美しいということから「光の教会」とも呼ばれています。
↑ 外観はちょっと怖い感じですが、中は光に満ちています(#^^#)
↑ https://gotrip.jp/2017/05/65370/より引用させていただきました
この教会はユネスコの世界遺産に登録されています。
大聖堂の側面からみても、その窓の大きさは当時としてはかなり大きく、建築技術の凄さを語っています。
↑ https://gotrip.jp/2017/05/65370/より引用させていただきました
クリーム色を基調とした内装に白とピンクなどのパステルカラーの装飾が施された教会は、メルヘンチックで可憐、明るいイメージの教会です。
フレスコ画もまたとっても明るい感じで、外からの光に柔らかいイメージを醸し出しています。
↑ https://www.excite.co.jp/news/article/ExnewsGotrip_65370/?p=3より引用させていただきました
美しい曲線の螺旋階段の先には、屋根裏の建物の基礎部分が公開されているので、ぜひ覗いて見てほしいです。
↑ 螺旋階段もとっても芸術的です!
2.エルサレムの土がこのクトナー・ホラに撒かれた
エルサレムのゴルゴタ(イエスが磔刑に処された場所)からの土が撒かれたことで聖地となり、このクトナー・ホラには多くの埋葬希望者が殺到したのです。
その結果、ここには4万人の人骨が納骨堂に集まりました。
19世紀にこの教会を購入したシュヴァルツェンベルク家が、1870年にチェコの木彫師であるリントに内部にある人骨を使って内装をするようにと依頼します。
そこで建てられたのがこの「セドレツ納骨堂」です。
↑ https://4travel.jp/travelogue/11229168より引用させていただきます
リントが使用した人骨は約1万体と言われています。
その結果、光の教会とは対照的な呼び名ですが、「ガイコツ教会」と呼ばれています。
内装には人骨で造られたシャンデリアや紋章もあります。
↑ https://4travel.jp/travelogue/11007603より引用させていただきました
ガイコツのシャンデリアです!
沢山のしゃれこうべに観られているような感覚になりそうですが、人骨で造られている納骨堂の装飾にはちゃんと意味があります。
↑ https://4travel.jp/travelogue/11229168より引用させていただきました
シュヴァルツェンベルク家の紋章です
「メメント・モリ」という言葉をご存知の方も多いと思いますが、ラテン語で「死を恐れるな!」という意味があります。
「今を楽しめ」という意味合いと、「今は来世のための通過点にすぎない」という相反する意味も込められた言葉だと言います。
「人生の短さを心に留め、今を正しく生きて行こう」という宗教的な考えがこの納骨堂には込められているのです。
クトナー・ホラにはこれらの建造物の他に、かつて銀鉱山で働いた人たちのための教会だった「聖バルボラ教会」も見逃せません。
↑ 銀鉱山の歴史を知り尽くした教会とも言えますね!
なんと改築を重ねて400年もかけて完成された教会ということで、ゴシック様式の最高傑作とも言われている教会です。
この教会も世界遺産に登録されています。
黒い祭壇が印象的で、坑夫の像が飾られているところも珍しいと思います。
↑ 黒の祭壇は珍しく、シックな感じが美しいですね!
順番としては、まず「バルボラ教会」へ行って、そこから「セドレツ納骨堂」へ、そして最後は光あふれる「聖マリア大聖堂」という感じが良さそうです。
最後は光の中で輝くクリーム色の教会で癒されたくなりそうですね!(^^;)
クトナー・ホラには美味しいワインもありますし、地ビールもあるそうです!
コロナさえなければ、友人と一昨年にハンガリーとチェコへ行っているはずでした。
今後行けるかどうかはわかりませんが、世界には驚きの建造物がまだまだいっぱいあるので興味が尽きません…。
沢山の人骨を観ることで、私たちは「与えられた命」の重さを知ることが出来るのではないでしょうか。
戦争はあまりにも「人の命」を軽視していると思ってしまいます。
今を正しく生き、胸を張ってあの世に行く!
世界中の歴史的建造物が私たちにそれを教えてくれているというのに、それらを破壊するだけでなく人の命も奪うなんて…なんと残念なことか…と思います。