アメリカのミズーリ州のカンザスシティ動物園のペンギンたちがネルソン・アトキンス美術館を訪れ、絵画を鑑賞したというのです。
ジュリアン・ズガザゴイティア(Julián Zugazagoitia)館長がペンギンたちに見せてみたかったのは、クロード・モネの「睡蓮」でした。
モネは印象派の画家でタッチが柔らかいですよね。
↑ え!こっちじゃないの??と思ってしまった…( *´艸`)
色も淡いし、ふんわりとしたイメージが動物には刺激がないように思えます。
館長も水の有る景色で、心地よくなってもらえるのではないかと思ったのだそうです。
ところがペンギンたちはモネには足を止めず、興味を示したのはバロック美術の方だったのです。
↑ この赤い空間が心地よいとはちょっと驚きでした
人間がハッキリと描かれていて、睡蓮よりは遥かに色もハッキリしているし、動きがあります。
壁の色も睡蓮の青よりは、バロック美術の展示空間の赤がお気に入りだったのでしょうか。
動物園のペンギンはお客さん慣れしているし、人への警戒心は無いと思われるので人間の動きの方が花や水辺の風景より興味があったのかもしれませんね。
↑ 明らかにちゃんと見ていますね!凄いです…
何故ペンギンに美術を見せようとなったのかもちょっと面白い!
実はエイプリルフールのジョークをそのまま実現させたということなのです。
カンザスシティでは元からアートや非営利団体の結束が強く、友好的な関係がありました。
このコロナのご時世の中、どちらも閉園・閉館を余儀なくされています。
動物園の園長と美術館の館長の電話の会話で、エイプリルフールだったこともあり、「君の所のペンギンを何羽か連れてくればいいじゃないか?」と誘ったそうです。
もちろんジョークではあったのですが、「もちろんだよ!いつやるかい?」とノリノリの園長の答えにこの楽しい試みが実現したのだそうです。
当初はペンギンの体のことや絵画のことが心配だったと言います。
飼育員が後ろから見守る形で、自由に観覧してもらいました。
館長が一番驚いたのは「ペンギンの行動はものすごく人間に似ていた」ということだったようです。
人間が1つの絵に集中する時間はおよそ8~10秒ぐらいだと言いますが、ペンギンも同じぐらいだったのです。
ペルー出身のペンギンたちだったので、館長はスペイン語で説明もしたんだそうです。
ペンギンの視線や行動から、「この絵に興味を持っているな!」ということも分かったし、本当に人間と同じだなと感心したようです。
この動画をYoutubeにアップしたところ、多くの視聴者からコメントをいただけたことも嬉しかったと館長は話しています。
↑ 是非観てみてください!癒されます(#^^#)
コロナの今だからこそ、癒しを求めている人々や、動物園や美術館に行けない人間を楽しい気分にさせてくれた今回の面白い企画!
ジョークからと言えども、素晴らしい提案だったと思います。
こんな感じのジョークだったら、世界規模で大歓迎だと思いませんか?
↓ エイプリルフールの記事はこちら